「『私庵』1000HIT企画」801小説リレー
〜第4章〜
『もう貴方しか愛せない・・・』
序章(私庵)→第2章(サンセベリア)→第3章(NO PRIDE)→第4章(ここ)→最終章(ここ)
「・・・昔から、お前の事が好きだったよ。」
なんと、そういったのはzyazuuだった。
「え・・・・・・?」
らりぃは今まさに自分の口から発しようとしていた言葉がzyazuuの口から聞こえた事が理解できないでいた。言葉が脳に浸透するのに時間がかかった。
「え・・・・・・?・・・・・・あ・・・れ・・・?」
らりぃが戸惑っているとzyazuuが口を開いた。
「だーかーらー」
zyazuuは回りをさ軽く見渡すと、まだ何か言おうとしていたらりぃの唇に自分の唇をそっと重ねていった。
「こういうことだよ。俺が気付いてないとでも思ったのか?何回も言うようだけど俺とお前の仲だろ?」
zyazuuはらりぃのいつもとどこかが違う仕草を見て、一瞬の間にに全てを直感していた。
zyazuuには時々こんな事がある。そして決心し、行動に移した。
「zyazuu・・・・・・、ありがとう。俺も、お前が好きだ」
そう言うとらりぃは辺りの確認もせずにzyazuuの唇をふさいだ。もうらりぃは目の前の現実に歓喜していた。本当は自分で落とすつもりだったが贅沢は言えない。今を楽しもう。
「なあzyazuu、実は部屋とってあるんだ。ゆっくりしていかないか?」
「ああ、そうだな。ゆっくりしようか」
もちろんこの時の二人にゆっくりするつもりなどなかったことは言うまでもない。
そして二人は寄り添いながら801号室へと歩いていった。
「もったいないことしましたね。」
事が終わり、bokoは絨毯に染み込んだ「サンセベリア」をみてそう言った。
「いいさ。君との時間に比べれば安いものだ」
「部長・・・・・・」
もうbokoには部長のものになったことへの違和感はなくなっていた。むしろそれがあるべき姿だったかのように落ち着く。しっくり来る。
「所でboko。今日『SIAN』で新作ワインの試飲会があるんだが、コネで特別に参加する事も出来るが、行くかね?」
「えぇっ?!そんな事まで。悪いですよ。」
「気にする事はない。それに本当は行きたいんだろう?」
「ええ、実は」
bokoは微笑みながら言った。部長にここまでして貰ったことが本当に嬉しかった。
「では出かけようか」
そう言うとすなくじらはコートを着た。この季節はさすがにコート無しではきつい。
外に出ると冷たい空気が肌に凍みる。bokoは思わず手をすり合わせる。するとすなくじらは、
「寒いか?」
と声をかけてbokoの手を取りコートのポケットへ入れた。
「どうだ?」
「・・・暖かいです」
bokoは照れながらもそう言った。
『SIAN』へはそんなに遠くないので歩いていった。道中、会話は少なかったが、不思議と気まずさはなかった。二人とも幸福感に包まれていた。
『SIAN』に着くと骨董品の展示会もやっているようだった。bokoはらりぃが確か骨董品等も好きだったな、と思い出したが、すぐにそんな事は忘れて、すなくじらとワインの試飲をして廻った。
試飲会にはたくさんのワインが出品しておりそのほとんどを、少量とはいえ大方飲んで廻ったのでだいぶ酔っている。
「boko」
そう呼ばれボーっとしていたbokoはすなくじらの方を向いた。
「実は部屋も取ってあるんだ。だいぶ酔ってしまったし、休憩していかないか?」
「ええ、いいですよ」
bokoは二つ返事で返事を返した。先ほどの部長との交わりを思い出し、顔が紅潮していくのが自分でも分かる。
すなくじらは、今度はどんな事をしようか、させようか、を考えて海綿体を充血させた。
そして二人は部屋へと歩き出した。すなくじらの手には802号室の鍵が握られていた。
zyazuuとらりぃは801号室の前まで来ていた。らりぃが部屋のドアを開け、先に部屋へ入る。
zyazuuも後に続いてドアをくぐり、後ろを向いてドアを閉める。zyazuuが鍵を閉め終わるかどうかというタイミングでらりぃが後ろからzyazuuを抱きしめる。
「zyazuu・・・・・・」
らりぃの熱い吐息がzyazuuの耳元へ吹きかけられる。
いきなりで少しびっくりしたzyazuuは少し戸惑ったが、次の瞬間にはらりぃの手が前へ回り、ズボンの中へとのびていた。
「あ・・・、らりぃ・・・そんな・・・・・・」
「何言ってんだ、もうこんなになってるくせに」
らりぃはそういうと、いっそう激しくzyazuuの局所を愛撫した。
「うっ・・・・・・あぁ・・・・・・・」
zyazuuが立っているのも出来ないほどにらりぃのテクニックは凄かった。
らりぃは愛撫を続けながらzyazuuをベッドへと導いた。zyazuuをベッドへ寝かせ、キスをする。先ほどのそれとは違い、激しく舌を動かす。zyazuuは気絶寸前だった。
「zyazuu・・・・・・いいか?」
らりぃがそっとzyazuuの耳元で囁く。zyazuuは頷くのがやっとだった。
「zyazuu、いくよ・・・」
「うぅっ・・・ああぁっ!!」
いつの間にか照明は消されていた。二入の声と淫音が801号室を包んでいった・・・・・・
802号室はその数字から分かる通り、8階の端から2番目の部屋である。エレベーターホールは階の中央にある為、エレベーターを下りるとすなくじらとbokoの二人は802号室のある方へと歩いていった。
そして二人が802号室の前へ着き、鍵を開けようとした直前、801号室のドア開いた。
中から出てきたのは、つい数時間前、すなくじらの前でbokoを落としていき、さっさと出て行ってしまったらりぃだった。
しかもそのらりぃの後ろには何と、自分達が勤めるカンパニーの御曹司であるzyazuuが立っていたのだ。男同士の二人組みが二組、無言で向かいあっている。
この時、すなくじらは必死で考えていた。御曹司であるzyazuuとらりぃの密会現場である。これがバレればzyazuuもらりぃもただでは済まないだろう。それはこちらも同じ事だが、部長のすなくじらはともかく、次期社長のzyazuuは危ないだろう。
となれば、巧くすればzyazuuを自分のモノに出来るかもしれない。すなくじらは密かにzyazuuも狙っていた。これはチャンスなのだ。そのためにはどうすればいいのか?
すなくじらは二人の仲を壊し、落ち込んでいる所を慰めてオトす、という策をとることにした。王道っぽいがこれが一番だろう。そう判断した。そして喋りだした。
「次期社長のzyazuuさん、こんなところで会うとは奇遇ですね。らりぃと密会ですか?」
すかさずらりぃが言う
「ち、違う!これは・・・」
「隠さなくてもいいじゃないか。らりぃ。さっきだって見事な技でbokoを落としていったじゃないか」
「っ?!」
zyazuuは何が起こっているのか理解できない。らりぃとの秘め事を終え、部屋を出たらいきなりこれだ。しかも自分の事を好きだと言ってくれたらりぃがbokoを・・・?
「らりぃ・・・?」
何も言わず俯いているらりぃを見てzyazuuはホテルの廊下を走り出した。らりぃの言葉は偽りだったのか、確かめたかったがそんな勇気はなかった。
「くっ」
らりぃはすかさず追いかけようとしたが行く手をすなくじらに阻まれてしまった。
「お前を行かせるわけには行かないな。お前に行かれては私の作戦が無駄になる」
すなくじらはbokoも引き込んでzyazuuを奪うつもりでいた。もうすでにbokoはすなくじらの虜である。いくらでも言う事は聞くだろう。
「boko、らりぃを落とすぞ。奥の部屋へ押し込もう」
そう言うとすなくじらはらりぃを無理矢理部屋へ連れこもうとした。bokoも戸惑いながらも手伝う。さすがにらりぃも二人を相手にしては勝ち目はない。
早く追いかけなければ。そう思っていても、らりぃの体の自由は奪われたままだった。まだzyazuuに伝えたい事がある。いや、むしろ一番大事な事を言っていない。しかしこの状況は・・・
「らりぃ、結局君も私のモノになるようだな。安心しろ。bokoと二人でやさしくしてやる」
そういうとすなくじらとbokoはらりぃの体を弄りはじめた。二人から同時に愛撫をうけてはらりぃも抵抗が出来ない。いつの間にかbokoも加わっている。二つの手がらりぃの局所を弄ぶ。
それは休むことなく一気に絶頂へと3人を導いていった。二人の手はまるで別の生き物であるかのように素早く、そして淫らにうごめく。肌と肌がぶつかり合い、淫らな音をたてる。
くそ、駄目なのか・・・・・・
部屋の窓からは沈みかけている太陽が見えた。